懐石料理って、古くからある料理様式ですが、よくわからない人が多いと思います。
たまたま見たSALUSに特集されていたので基本をピックアップしますね。
懐石料理のルーツ
室町時代に武士の権力が強まると、武家社会にも「本膳料理」と呼ばれる料理様式が生まれます。
これは料理そのものを楽しむというより儀式的要素の強いものでした。
その本膳料理の一部を受け継ぎ、茶席の料理としたのが懐石料理です。
ですが、本来茶の湯のための料理であるはずが酒宴の趣が強くなったため、千利休がこれをそぎ落として、一期一会を大切にした茶の湯を楽しむための、質素簡潔にして季節感のある料理としたのが、現在の「茶懐石」の形となりました。
会席と懐石の違い
どちらもおなじ「かいせき」と発音することもあり、懐石と会席の違いがはっきり分からないですね。
結論から先にいうと、お酒を楽しむ料理を「会席料理」、茶の湯の席で出される料理を「茶懐石」というように区別する場合が多いようです。
但し、料亭や旅館などで供されるものは、「懐石料理」と書かれていても、内容は会席料理のことです。
そもそも利休の頃には茶懐石は「懐石」ではなく「会席」と呼ばれていたそうです。
「懐石」と呼ばれるようになった理由は諸説あるようです。
一汁山菜を基本とし質素簡潔なもてなしの料理を旨とした茶の湯の料理は、禅宗の茶礼や精進料理とも縁が深かったため、後にこの「懐石」が当てられたと考えられているようです。
会席料理の流れ
お酒を酌み交わしながら楽しむ料理が前提の会席料理は、一応、慣例的な流れはありますが、茶懐石のように厳格な決まりはありません。
元来は肉が出ることはありませんでしたが、現在ではお店によってさまざまにアレンジされています。
一般的な会席料理の流れ
- お酒とともに先付けと呼ばれる前菜
- 椀物
- お造り
- 煮物
- 焼き物
- 揚げ物
- 酢の物
- ご飯
- 香の物
- 味噌汁
- 水菓子と呼ばれる果物など
茶懐石の流れ
茶懐石は茶事の料理ですので、茶の湯を嗜まれる方以外にはあまり接する機会がないかもしれませんが、流れだけでも知っておきたいものですね。
一汁三菜のみの極めてシンプルな料理の場合もありますが、現在は杯を交わすための料理も出るのが一般的です。
盛り付けや作法などは流派によって異なります。
一人前ずつ配膳される会席料理とは異なり、茶懐石は
飯碗、汁椀、向付(むこうづけ)の三品がのった折敷(おしき)と呼ばれる盆と、次に出される煮物椀以外は、人数分の料理が盛られた器を正客から順に取まわします。
一般的な茶懐石の流れ
- 折敷膳と煮物椀
- 焼き物
- 強肴(しいざかな)
- 小吸い物
- 八寸(はっすん)
- 湯斗(ゆとう)
- 香の物
- 菓子
- 抹茶